整備教室セビスクでは"趣味ではじめる二輪整備"をコンセプトにバイク整備が初めての方から上級者まで楽しめる講座を開催しています。

興味のある方は現在開催中の講座をご確認ください。

カブのステアリングステムの分解、組み立て、調整の方法

参考動画

※動画の内容は講座の内容とは関係ありませんが参考になりそうなものを選んでみました。
※同じスーパーカブでも年式によって多少手順が違いますので動画も2種類用意しました。ご自身の車体に合った方法でお試しください。

用意するもの

メガネレンチ Amazon
ソケットレンチセット Amazon
プラスドライバー(2番) Amazon
Tレンチ(10mm) Amazon
ロックナットレンチ 26×30 Amazon
エクステンションバー 差込角12.7mm Amazon

要チェックポイント

  • ジャッキはアクスルシャフトを緩めてから掛ける。
  • メーターを外したら必ず上向きに保管する。
  • ステムナットを締めると、その下にあるステアリングヘッドトップスレッドが押さえつけられます。ステムナットの締付を考慮してステアリングヘッドトップスレッドの締付具合を調整しておきましょう。ステムナット締付後は改めて前後の動きを確認するようにしましょう。

ステムの分解、組み立て、調整

アクスルシャフトは共回りするため、片方を12mm、もう片方を17mmのメガネレンチで抑えて回します。

ちなみに、この後ジャッキでタイヤを持ち上げるのですがアクスルシャフトを緩める作業はジャッキで持ち上げる前にやっておかないと力を加えた瞬間にジャッキが倒れたりして事故につながりますので必ず先にアクスルシャフトを緩めてからジャッキで持ち上げるようにしてください。

アクスルシャフトを緩めたらジャッキ入れます。今回は多くの人が持っているという理由でパンタグラフジャッキを使っていますが、他のジャッキでも大丈夫です。ジャッキがない場合はちょうどよい高さの箱でも代用できるかと思います。

ジャッキをかける位置ですが、カブのエンジンはドレンボルト横あたりにリブが立っており、このリブに当てるようにかけるのが最適です。

※必ずアクスルシャフトを緩めてからジャッキをかけてください。ジャッキをかけた状態は非常に不安定で強い力をかけることが出来ません。

ヘッドライトを外してヘッドライトケース内の配線を外していきます。

ヘッドライトの外し方がわからない方は基本のメンテナンス講座のページをご確認ください。

ヘッドライト・ウインカー・テールランプバルブ交換

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スロットルケーブルやブレーキケーブル、メーターケーブルの取り外し方は下記のページをご確認ください。

カブのブレーキ、アクセル、チョーク、メーターのワイヤー交換の方法

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メーターは駆動部に内蔵されているダンパーのオイルが抜けるため下に向けて置いてはいけません。

必ず車体に取り付けたときと同じように上向きに置くようにしましょう。

ハーネスは邪魔にならないよう外に出しておきます。

最も曲者なのがこのステムナットの取り外しです。ロックナットレンチなどの治具が必要な上、かなりの高いトルクで締まっています。

撮影で使用したカブでもなかなか外れず、長めのレンチを使用してようやく外すことが出来ました。(画像ではやむを得ずトルクレンチを使用していますが本来は推奨されていない方法です。)

12mmのTレンチで横のボルト2本を外したらハンドルロアカバーを引き抜きます。

アクスルシャフトを引き抜きます。

続いて、フロントブレーキはブレーキパネルの凹みにフォークの突起が挟まっていますので手前に引いて取り外します。

カラーはなくしてしまう恐れがあるためアクスルシャフトを通してナットを仮付けしておきましょう。

フロントを持ち上げながらトップスレートを緩めます。

画像左がトップスレート、右がアンギュラーボールベアリングです。

ベアリングにはいくつか種類がありますが、このベアリングは軸方向と経方向の規制ができるタイプのベアリングです。

ベアリングが接するレース部分はパーツクリーナーとウエスで念入りに掃除しておきましょう。

レースの転動面に凹みや傷がないことを確認します。ベアリングが接する部分ですので異常がある場合は交換するようにしましょう。

パーツクリーナーでベアリングを洗浄し、手で動きを確認します。指先は1ミクロン以上の傷を確認できます。

万能グリスを裏表たっぷり塗ります。ボールの隙間まで入るように押し込むように塗り込みます。

塗り終わったらレースの上に置いておきます。

おねじは基準値よりも少し小さく、めねじは基準値から少し大きくできており、少しのガタが出るように作られています。

そして、より精密な締め付けが必要な部分ほど、そのガタが小さく作られています。

ステムナットの場合は上下方向にガタが出るようになっており、ステムナットを締めてガタを抑えます。

さて、ここからはステアリングヘッドトップスレッドの取り付けを行いますがステアリングヘッドトップスレッドとステムナットの締付具合の調整がこの講座一番の難所と言えます。

ステアリングヘッドトップスレッドの締め付けはある程度締め付けすぎるとベアリングのゴリゴリ感が出てきてハンドルを切った時にスムーズに動かなくなるので、スムーズに動く⇔スムーズに動かない所のギリギリの所で調整するのが大切です。

ステアリングヘッドトップスレッドを締めたらフロントフェンダーを左右に動かしてスムーズに動くことを確認します。ステムナットを締め付けることによって動きが変わることがありますので後に行う本締め後に確認しましょう。

フォークを前後に揺すってガタの有無も確認しておきましょう。

ハンドルロアカバーを乗せ、横のボルトを取り付けます。

ステムナットを取り付けます。ステムナットはトルクレンチで6~9kg-mで締め付けます。ここを締めるとステアリングヘッドトップスレッドが微妙に共締めされてハンドルの動きが渋くなることがありますので、その場合はまたステアリングステムナットを外しステアリングヘッドトップスレッドの調整を繰り返します。

締付後に左右の動きが良くて、前後にガタがなくなればオッケーです。

ポイント

ステムナットを締めると、その下にあるステアリングヘッドトップスレッドが押さえつけられます。ステムナットの締付を考慮してステアリングヘッドトップスレッドの締付具合を調整しておきましょう。

ステムナット締付後は改めて前後の動きを確認するようにしましょう。

ヘッドライトケース内の配線を繋ぎます。同じ色同士を繋ぐだけですので特に難しいことはありません。

結線するときは手でも構いませんがラジペンがあると便利です。

ここから先の各種ワイヤー取り付けに関しては下記の記事を参考に進めてください。

カブのブレーキ、アクセル、チョーク、メーターのワイヤー交換の方法

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