人間の指は実に多様な動きが出来ますがプライヤーは人間の指の機能を補足する工具の代表的なものの一つです。それだけに使い手のこだわりが大きい工具でもあります。
このページでは人気のプライヤーの選び方のポイントや特定の用途に特化した便利なプライヤーのおすすめポイントを紹介します。みなさんの整備ライフのお役に立てれば幸いです。
定番のコンビネーションプライヤーの選び方とおすすめ2選
クオリティの高いものがあまりなく、中途半端な存在だったともいえる世のコンビネーションプライヤーの認識を大きく変えたといえるのがKTCとDEENのふたつです。
「薄物を掴む」「丸物を掴む」「ワイヤーを切る」一本で3つの機能を持ち、それぞれがしっかりと使えるコンビネーションプライヤーということで双方ともに評価させていますが、どちらかを選ぶ際のポイントとして注意したい点があります。
まずはハンドル。KTCはやや太目のグリップでDEENは細身。コンビネーションプライヤーなのであまりガッチリと握ることは少ないですが、パワー系を期待するユーザーにとっては太いほうが使いやすいでしょう。
次は刃先の形状の違いです。 KTCはひとつひとつの刃の山が大きく横満のみなのに対してDEENはアヤ目で山も小さめです。パワーよりも繊細な作業に向いていると言えます。ヘッドの幅もDEENのほうが狭く、 KTCがパワフル系。DEENは繊細系と言えるでしょう。
コブラ(ウォーターポンププライヤー)の選び方
強力にパワーグリップするクニベックスのウォーターポンププライヤーは、 コブラというネーミングがぴったりの肉食系工具の代表。
そのコブラにはスタンダードタイプとエクストラスリムと呼ばれるくちばしが尖ったタイプの2種類があります。形状がちょっと違うだけで用途はほぼ同じようなものだと思ってしまうが、ユーザーの使用目的は大きく異なります。
スタンダードタイプは、建築系でパイプなどを平行四辺形になっているくちばしの真ん中部分でホールドすることを目的に使われることが多いです。
それに対してクストラスリムは、くちばしの先端部分を使って、力強くホールドすることに使いたいオートモーティブ系のユーザーが多いです。
くちばしの真ん中部分でパイプなどをホールドしたいときには、 エクストラスリムの長さが逆に邪魔になってしまうのだといいます。同じように見える工具でも用途に合わせて使い分けすることでよりその機能を引き出すことが出来るのです。
ラジオペンチ(ラジベン)の選び方
ラジオベンチはどれも一見するところ、さして違いがないように見えるし、どれを選んでも何も変わらないよに思ってしまいますよね?ところがプロの使い手はこの3本をしっかりと使い分けているのです。
まず一番左のラジベン。 実はこれ「メカニックプライヤー」 と呼ばれているもので右側のふたつのラジオペンチとはディテールが違う。まずよく見るとわかるが、カッターがない。
カッターがないということは先端の合わせ部分の精度を優先して作られているといえる。しかも先端部分はアヤ目になっているので、 薄物を織細につまむことに適している。
それに対して右側のラジオペンチはカッターがあり、先端のギザ部分の面積も大きい。繊細にというよりもガッチリと掴んで、なおかつカッターも使いたいユーザー向けだ。
さらに160mmと200mmの長さの違いで使い勝手が変わってくる。なぜなら、 先端を開こうとすればハンドルも広げなくてはならない。決して大は小を兼ねないというのがラジベン使いの基本なのだ。
チェーンプライヤー
オートモーティブでの知名度はあまり高くないが、新潟のプライヤーメーカーであるツノダは、個性的で魅力的な製品をリリースしている。
なかでも注目したいのが、このチェーンプライヤー。チェーンのピンの、取り付け&取り外し両方の作業が出来るのが特長だ。
自転車、バイクユーザーからだけでなく、 #35から#50という産業関係でよく使われているチェーンにも対応していることから、機械関係のユーザーからも注目を集めている。
【大ヒット商品】ネジザウルス
ビスの頭がなめてしまったときに使えるプライヤーとして、もともと人気はあったのだが、 昨年出たトラスビスもつまめるというネジザウルスGTの人気はちょっとケ
タ違い。
5ヶ月間で7万本という工具業界の常識を覆すヒットは、間違いなく高い実力の証でもある。
トラスが掴める機能を生み出した独自のギザデザインが今後どんな進化をするのかにも注目したいところ。隠れたヒット商品としては、電子系で人気のPZ57。小さいネジにはこちらのほうが使いやすい。