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整備教室セビスクでは"趣味ではじめる二輪整備"をコンセプトにバイク整備が初めての方から上級者まで楽しめる講座を開催しています。

興味のある方は現在開催中の講座をご確認ください。

スーパーカブ・リトルカブのチェーン交換・調整の方法

参考動画

※動画の内容は講座の内容とは関係ありませんが参考になりそうなものを選んでみました。

用意するもの

交換用チェーン420-100L Amazon
メガネレンチ10mm14mm19mm23mm Amazon
(セットで購入するのがおすすめです。)
ペンチ Amazon
チェーンカッター※ Amazon
トルクレンチ Amazon
軍手※ Amazon
※あると便利なものです。必ず必要なわけではありません。

要チェックポイント

  • 必要なチェーンの長さは車種やスプロケットの歯数、仕様によって変動します。ただ、スーパーカブ、リトルカブであればほとんどの場合で98~100リンクあれば問題ないかと思います。
  • 新品のチェーンは多少伸びること(初期伸び)を想定し、硬めに張ることを推奨しています。
  • ペンチでクリップを外す際はペンチを寝かせて使うと外しやすいです。
  • チェーンに触れるとオイルで汚れるので軍手を用意しておくと安心です。
  • チェーンへの注油や清掃時は必ずエンジンを停止させてから行ってください。

センタースタンドを立ててチェーンカバーを取り外す

チェーンの交換や調整を行う際はセンタースタンドを立てて後輪が空転するようにしておきます。

まずはチェーンにアクセスできるようにチェーンカバーとチェンジペダル、ジェネレーターカバーを取り外します。

チェーンカバーはボルト4本、ジェネレーターカバーは3本、チェンジペダルは1本で止まっています。

チェーンカバーのボルトは向かい合って右上のみ少し長いボルトが使われています。再度組むときに注意しましょう。

チェーンのクリップを外す

まずリアタイヤを回してチェーンの中でクリップのある位置を探します。

クリップを見つけたらプライヤーでクリップを外します。ラジオペンチでも外すことが出来ますがプライヤーの方がやりやすいです。もしラジペンで作業する場合はラジペンを横にして使うと外しやすくなります。

プライヤーを当てる位置をわかりやすくしてみました。クリップを左にスライドさせられるようにするイメージです。

チェーンがぶらぶらして力を入れずらいという方はタイヤを回してクリップのある位置をスプロケットのある位置までずらすと多少作業しやすくなるかと思います。

クリップが外れました。チェーンを再利用する場合は外したクリップはなくさないようにパーツトレーに入れておきましょう。

クリップさえ外せばあとは簡単!手で簡単に外すことが出来ます。

チェーンの状態を確認

チェーンが外れたらチェーンの状態を確認します。ぶら~んとチェーンを垂らしてみましょう。

上の画像のように波打っているような状態は滑らかな動きが出来ていない証拠ですので洗浄するか交換する必要があります。

画像ではわかりませんが長さも1コマほど伸びていました。

次は横向きにしてみます。わかりやすいですね。古いチェーンは明らかに大きくしなっています。

チェーン交換・チェーンの切り方

新品のチェーンに交換する場合、車種によって必要な長さは違います。適合表や量販店のスタッフさんに聞いて必要な長さのチェーンを手に入れます。

ピッタリの場合は切る必要はありませんがピッタリの長さで販売されていない場合はチェーンカッターなどを用いてチェーンの長さを調整する必要があります。

ピンの出っ張りを削る

こちらの作業はチェーンの種類によっては必要ない場合があります。講座で利用しているチェーンはピンの部分を削らないとチェーンカッターを使ってもうまく抜けないものだったため削っています。

チェーンカッターのピンがつぶれてしまって上手くいかない人はチェーンのピンを少し削ってみるとうまくいく場合があります。

チェーンのピンの部分にチェーンカッターを装着し、レバーを回していきます。

1コマ外すのに2ピン抜く必要があります。

ピンが抜けました。

チェーンを取り付ける

新しいチェーン、もしくは洗浄したチェーンを車体に取り付けます。基本的には外した時の逆の手順です。

クリップは外すときよりも付けるときの方が数段楽です。ペンチでも簡単にできます。

この時も外すときと同様にスプロケットのある位置で取り付けるとチェーンがぶらぶらせず楽に作業ができます。

最後のプレートの取り付け時は向きに注意しましょう。これは走行中に仮に石や木などにチェーンが接触してもチェーンのプレートが外れないようにするためです。

チェーンの張り調整

チェーンの取り付けが終わったらチェーンの張り調整を行います。スーパーカブの場合、適正なチェーンの調整幅は10mm~20mmです。

1つ注意点があり、調整するチェーンが新品なのかどうかで多少調整幅が変わってきます。というのも、チェーン交換などを行い、チェーンを新品にした場合、新品のチェーンは中古のチェーンと比べて同じテンションで張っても緩みやすい傾向があります。これを「初期伸び」と言います。

そして、チェーンを新品に交換した際は初期伸びを考慮して多少硬めに調整するようにします。硬めといっても硬すぎはダメです。スーパーカブの場合は10mm~20mmが調整目安ですが、この場合であれば10mmを目指して調整するようにします。あくまでも適正範囲内で硬めに調整するようにしましょう。

チェーン調整の手順

まずは19mmのアクスルナットを緩め、続いてその奥にある23mmのアクスルスリーブナットを緩めます。チェーン調整の際は取り外さず緩めるだけで問題ありません。

ナットを緩める際はアクスルシャフトと共回りしてしまうことがありますので反対側の14mmも固定しておきましょう。

2つのナットを緩めるとチェーンアジャスターのアジャストナットでチェーンの張りが調整できるようになります。画像の指をさしているナットがアジャストナットです。ナットを締めるとチェーンが張り、ナットを緩めるとチェーンが緩みます。

反対側にも同じようにチェーンアジャスターとアジャストナットがありますので左右同じように調整します。

アジャスターの調整時はスイングアームに刻まれたメモリとアジャスターの切り欠きを目安に調整するとわかりやすいです。切り欠きとメモリの役割は左右の調整を均一にすることですので切り欠きはメモリピッタリに合わせる必要はありません。

チェーンの張り具合が10~20mmの範囲内に収まる位置で左右のアジャスターを調整し、調整が完了したら先ほど緩めたアクスルスリーブナットとアクスルナットを締めます。

2つのナットを締めた後に再度アジャストナットを軽く締めます。この際、アジャストナットを強く締めてしまうとアジャスターが動いて調整したチェーンの張りが強くなってしまいます。アジャストナットが走行中に緩まなければ問題ありませんので軽く締めておくだけで問題ありません。

チェーンの調整が終わったら、あとはジェネレーターカバーとチェーンカバー、チェンジペダルを取り付けて作業は完了です。